(5) 埋めた証拠は何も無かった

☆「埋納」論が考古学を狂わせている
    →他の考古遺物とどこが違う?

山の中腹から数多く出土している銅鐸だが、人為的に埋めたという証拠が実は何も出てこない。 この貴重な青銅器を埋納したにも関わらず遺構らしきものが全く見当らないからだ。 「埋納」当初はそれなりの囲いや覆いといったものがあった可能性はあるが、そんなものは10年もすれば朽ち果ててしまう。 しっかりした柱の跡やそれを支えるための礎石の類は全く検出されていない。 埴輪の出土状況
埴輪の出土状況
上図の古墳墳丘表面の埴輪埋没の例から推定すると、銅鐸「埋納」の姿とは実に根拠の怪しいものと言わざるを得ない。 「埋納」ではなく必要に応じて使用するための「隠匿」あるいは「設置」の色彩が濃厚なのである。 下図に2000年の歳月の流れによる埋没をシェーマで示した。@では木や草を利用した簡単な覆い屋根のあった可能性がある。
銅鐸の設置経年図
銅鐸の設置経年図(イメージ)

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