銅 鐸 の 秘 密     臼田 篤伸 著)

● 今、なぜ、考古学なのか

 世の中が順調に回っていた時は経済成長と共に、一気に農業国が工業国に転換しました。 目先の利益追求に気持ちを取られ、日本全国、未来志向、つまり、「どこへ行く」ということが 先行し、古代や故郷は遠いものになりました。同時に「どこから来たのか」という思いは、 かすんでいました。バブルがはじけて10年、日本全体に停滞ムードが漂い、われわれの生活を きびしいものにしています。先が読めなくなると、来た道、つまり古代や故郷に気持ちが 誘われるのは自然なことです。これは後世から見れば、経済成長に目がくらんでいた日本人に とって、平成不況の数少ないメリットの1つでしょうか。そのためには本書が掲げるような、 客観的事実に基づいて古代史を見つめ直さなければなりません。誰が見ても納得できるような 大昔のご先祖さまの姿をイメージできるかどうかです。それが筆者のようなアマチュアに 課せられた任務と思っています。専門家の方々がつくり上げた日本の古代史が如何に間違い だらけだったか、それを誰にもわかりやすく書いてみました。『銅鐸の秘密』は歴史書の老舗・ 新人物往来社からデビューしました。

 『銅鐸民族の謎』(彩流社)は弥生時代史を理論的に極める のには最適書です。今度の『銅鐸の秘密』は弥生と銅鐸のストーリーを誰にもわかりやすく かみ砕いて表現してみました。きっとご満足頂けると思います。どうぞご期待下さい。