世の中が順調に回っていた時は経済成長と共に、一気に農業国が工業国に転換しました。
目先の利益追求に気持ちを取られ、日本全国、未来志向、つまり、「どこへ行く」ということが
先行し、古代や故郷は遠いものになりました。同時に「どこから来たのか」という思いは、
かすんでいました。バブルがはじけて10年、日本全体に停滞ムードが漂い、われわれの生活を
きびしいものにしています。先が読めなくなると、来た道、つまり古代や故郷に気持ちが
誘われるのは自然なことです。これは後世から見れば、経済成長に目がくらんでいた日本人に
とって、平成不況の数少ないメリットの1つでしょうか。そのためには本書が掲げるような、
客観的事実に基づいて古代史を見つめ直さなければなりません。誰が見ても納得できるような
大昔のご先祖さまの姿をイメージできるかどうかです。それが筆者のようなアマチュアに
課せられた任務と思っています。専門家の方々がつくり上げた日本の古代史が如何に間違い
だらけだったか、それを誰にもわかりやすく書いてみました。『銅鐸の秘密』は歴史書の老舗・
新人物往来社からデビューしました。
『銅鐸民族の謎』(彩流社)は弥生時代史を理論的に極める
のには最適書です。今度の『銅鐸の秘密』は弥生と銅鐸のストーリーを誰にもわかりやすく
かみ砕いて表現してみました。きっとご満足頂けると思います。どうぞご期待下さい。
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