一昨年、弥生時代の開始が500年遡ることが、土器に付着した「おこげ」の炭素年代測定により明らかになったと国立歴史民俗博物館から発表されました。これは、稲作の開始と弥生時代の開始をイコールとする考えにもとづいています。しかし近年、稲作は縄文時代からすでに始まっていたことが数々の事実によって明らかにされています。この「おこげ」の付着した土器自体、縄文式土器の可能性が十分にあるのです。
とくに九州では代表的な縄文式火炎土器はみられないため、両時代土器の区分けがキチンとできていません。また下記のように両時代は民族の入れ替わり(断層)を伴っていて土器の形態も基本的に変わります。よって晩期縄文式土器という表現自体が間違っているわけで、これが時代錯誤を生み出す元になっているのです。弥生時代を定義するものさしを根本から見直す必要がおわかりいただけたでしょうか。
そこで、この時代に特徴的に現れた青銅器の意味が重要性を帯びてくるわけです。古代史における時代の大断層とは、侵略者が持ち込んだ未知なる物に翻弄され、先住民が大混乱を引き起すことによって生じるといわれます。弥生の原動力とは、中国の戦国時代を生き延びた難民達によってもたらされた青銅器にあったとみなければなりません。
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